トリノ不振のニッポン

開幕して8日経っても未だメダル 0
次第に関心が薄らぐ。
開幕前のあの盛り上がりは何だったのか。


渡航前、インタビューに答える選手の言葉。
「楽しんできます。」
「絶対金メダルを土産に持って帰ってきます。」
言葉が軽い。
重い物を背負っていれば絶対に出てこないような言葉。


近年の若い選手に見られる特徴。
背負っているのは、自分周辺の極めて個人的な物だけの様な気がする。


東京オリンピックでマラソン銅メダルの円谷幸吉は、4年後を期待されながら故障などで不振が続き、ついには、自らの命を絶ってしまう。
その遺書、
「父上様、母上様、三日とろろ美味しゆうございました。干し柿、餅も美味しゆうございました。敏雄兄、姉上様、おすし美味しゆうございました。・・・・・」
と、周りの人たちへの感謝のことばが続く。
この遺書の最後、
「父上様、母上様。幸吉はもうすつかり疲れ切つてしまつて走れません。何卒お許し下さい。気が休まることもなく・・・・・」


謙虚で素朴な言葉が、一層そのやるせない思いを伝えている。
言葉が深い。


決して選手に「ニッポン中の期待を背負ってがんばれ」というようなことを求めているのではない。
ただ、「ことば」は「言霊」
大切に使って欲しい。


クロ旦那