一人気になる子がいた
無表情な3歳の女の子。
無表情だけならまだましで自分で何もしようとしない。
おトイレに行く時間でも ぼ〜と、つったたまま。
お昼ご飯も 何も口に運ぼうとしない
無気力な感じ。

そもそも 子どもというものは
無駄な動きも多いくらいに 生きることにエネルギーを
めいっぱい使うもので、、
泣き続けたりする方が まだまだ 普通な状態だと思う。

けれども彼女は一日保育園にきたときから
帰るまで 無表情のまんまである。

それもこの何ヶ月か前からひどくなったようだ。
(ちなみに一年前からいるらしい)


この子が気がかりで仕方がなかった。

できるだけ私なりに気にかけていた。
一週間前に 手を握ると握り返してくれて
笑顔をかいま見た時、どんなにうれしかったことか。


その日から彼女は少しかわった。
私は毎日園へ行かないが 行くたびに無気力感が減っていった。
はじめは手をつないで促し、今では声かけだけで トイレに行き
お昼ご飯や おやつも食べるようになってきた。

遊びの時間は 保育士の後ろにひっつきはなれないのだが
ぼ〜と突っ立ていた頃と比べると 雲泥の差である

この子の背景に何が隠れているのか、、
私たちにはそこまでは見えてこないけれど
これにはきっと原因があるのだろう〜


さて 今日である。
帰り際、おもむろに彼女がおもちゃを握り やってきた

小さい くぐもった声で「ほじゃるまる」と話しかけてくれた。
「ほじゃるまるね〜」と何度も言うのだ。

にぎやかな保育園の中では 聞き漏らしそうな 小さな声だけど
私に はっきりと話しかけてきてくれた。

けなげでならなかった。
でも 新米保育士には印象深い出来事だった。。

ほんまに かわいい声やった〜